日の出どきは晴れだがたちまち巻層雲が広がる。
アメリカ自然史博物館。1869年開館。
ここはMetより入館者が多いのではないか。まったく別の場所でここの入館券が落ちているのを2回くらい見たことがある。他は見た記憶がない。何しろ子供の入館者が多い。観光客もいるが、地元民が多い様子。
そして、Metより広いのではないか。Metは2階だがこっちは4階まである。当然とばすし、大がかりなジオラマなどが多いのでさっさと見られる。Museumというのはレプリカを平気で出せるわけだ。本物である必要はないし、再現でも充分。説明のためのillustrationとして機能すればいいわけである。だから珍妙な人形などがたくさん並ぶ。Mueseum of Artだと原則実物、複製を並べるからには相応の理由が必要だろう。Meseumにあるのは貴重品とは限らない。どうでもいい葉っぱなんかもあるし、がらくたもたくさんある。それが証拠に監視員がほとんどいない展示室もある。一方で宝石の部屋は監視員がおおぜいおり、特に31.06カラットのブルーダイアモンドという、ベラスケスの肖像画がFrickにあったフェリペIV世が娘マルガリータテレサにあげたとかルートヴィヒII世が所有していたとか因縁つきのお宝は複数の監視員で見張っている。
それから、折りたたみいすや食器など本来はバックヤードに隠しておくべきものが平然と置かれていたり、張り紙がはがれていたり、全体に薄汚れていたり傷んでいたりで、結構ラフ。美術館だったらもっと美観を大事にするだろう。きれいさとか見た目といった尺度が重視されないのも博物館たる所以なのだろう。
でも、あまりおもしろくはない。説明が楽に読めたら楽しめたろうか。あまり変わらなかったのではないか。あまり興味がわかない。いつもは電子辞書が役に立つのだがほとんど使わない。特に民族誌関連の展示はアジア以外がらがらなので、みな同様なのだろう。
ここで見たいのはなんといっても恐竜の展示。4階は恐竜と初期哺乳類の化石や骨格標本のみ。それもティラノサウルスアパトサウルス、ステゴザウルスといった大型恐竜に興味が向く。
でも外に出て食事後、もう一度まわってみると最初の興味は続かない。まあ、そんなもんか。
それでも閉館少し前の17時半まで、結局7時間近くいた。食べ物屋を探すが、近隣が高級住宅地で安い店も中華屋も見あたらず、86 Stまで往復した時間も含めてだが。推奨観覧のみで16ドルのところ10ドル払って、途中つまらなくて5ドルでもよかったかと思ったが、これだけいたら10ドルくらい払わないと。膝の関節の具合がおかしい気がするのは、化石の骨の関節部分が開けてあって、これがコラーゲン部分かと思って見ていたのが尾を引いているだけではあるまい。
ここは南側にも立派な入口があったのだった。しまった正門は工事中の5 Ave側だけかと思っていた。やっとけばよかった。でも、ここはいいんじゃないか。