今日も朝から雨。まあこんなもんだろう。
足のマメはまだ残っている。9時過ぎ出発。Pennsilvania StをThe Mallへ向かう途中で雨が本降りに。傘をもってくればよかったんだが、Harlemの99セントショップで買った折りたたみ傘をベッドの上に置いといたら見つからないのよ。干しといた靴下もなくなってるし、ベッドメイクのヒスパニックおばさんだろうけど、勝手に捨てないでほしいんだよなあ。三脚とかの代わりに盗まれてくれた、わけないか。National Archive裏のバス停でしばし雨宿りするがやみそうもない。National Archiveが開くのは10時、30分以上ある。9時からやってるCapitolに行くことにするがけっこう遠い。着いたらびしょぬれ。東側地下に回ってX線と金属探知ゲートのセキュリティチェック。そりゃここなら当然だろう。さすがにこの雨では観光客はいない。と思ったらツアーのチケットをもらって列に並ぶとけっこうたくさんいる。バスで来る団体客か。でもいつもはもっと混んでるんだろう。はじめに連邦議会と議事堂の来歴と役割の、アメリカ万歳調な映像を大型スクリーンで見せられ、ワイヤレスヘッドフォンを渡されてコンダクターのガイドを聞きながら進んでいく。建物は思っていたより簡素。彫刻など装飾の見事さは議会図書館が勝る。上院の会議室?を見て建物の特徴であるあのドームの下。そこそこ豪華なんだが、天井の「The Apotheosis of Washingtonとかってフレスコ画はどうなんだろう。ワシントンの栄光ってわけだが、システィナ礼拝堂のミケランジェロの天井画にでもしたかったのか、ワシントンが神に祭り上げられているようで、あれじゃヨーロッパ人に笑われてもしょうがない。上院のサブドームでは各州の有名人が2人ずつブロンズや大理石になっているのだが、やっぱりみんなヨーロッパのパクリ。日本や中国が猿まねだとかいえないでしょ。アメリカ近代美術をけっこう見てきたので、あれが当時の限界だったのだとよくわかる。上院のホールでは音がよく響くというデモ。最初の「解放ホール」に戻るとカメハメハ大王ヘレン・ケラーアポロ13号乗組員のブロンズ像。下院を回るツアーもあったらしいが充分か。終了後は中で解散して内部を自由に動ける。もちろん範囲は制限されているが。外に出ると、冷たい雨の中「ARREST BUSH DEPORT OBAMA:ブッシュを逮捕しろ オバマを追放しろ」のプラカードを掲げたひとがいる。議事堂のすぐ前。警備もほっとく。日本じゃ考えられない。
雨が降ってきて寒いので、隣のUnited States Botanic Garden Conservatoryへ暖をとりに。さして大きくもないし、特に珍しい植物がある様子もなく、素人目には新木場臨海植物園あたりのほうが充実してるように見える。あんまり暖かくないんだが、あれでサボテンとかは平気なのだろうか。
昼時なのでまたChina Townに向かうが、National Galleryの北にカナダ大使館があって、アートギャラリーでの催しの吊り広告が下がっている。入ってみると写真入りIDを要求される。天下のUS Capitolがそんなもの必要としないのに。コピーじゃ無論ダメ。じゃあいいよもう。せっかく自分の文化に関心を持って近づいてきた人間を疑ってかかって、追い返してしまうってどうなんだろう。その人間は2度と来ない。逆効果だ。それならはじめからやらないほうがまだましじゃなかろうか。
食事後National American Indian Museumへ。大きな吹き抜けのあるGuggenheim型の建物で、展示スペースは見た目より狭い。指示通り4階から見ていく。Our Peoplesの頭にINVASIONS、侵略と大きくあり、そこからはじまる。むろんその前にも原住民は暮らしてたわけだが、伝承のみで歴史はないということか。
3階には現代美術の企画展示もある。ネイティヴ・アメリカンの典型的意匠を使ったものが目につく。そればかりではないけれど、趣旨からしてもどうしてもそうなってしまうのだろうし、制作者にとってはそうした出自がもはや売りになっているのだろうか。
2階ではネイティヴ・アメリカンのミュージシャンを集めてある。ポピュラー音楽のみ。ジミヘン、じゃなくてヘンドリが両親ともネイティヴ・アメリカンとは知らなかった。
1階の、現代美術とも民芸ともつかない展示物には「ネイティヴ・アート」とあるが、これはプリミティヴ・アートみたいな特別枠ということだろうか。アクリルボックスに入っているのだが、正面以外はスモークで、立体なのに背後から見られない。前からだけ見ろ、でなければ色眼鏡で見ろ、とでもいうのだろうか。とにかく、一通り全部回った。4階の導入の映像は途中から寝てしまったけれど。
National Airplane and Spase Museumへ。昨日の見残しをまわり、とばした展示ももう一回見る。やっぱり嫌いじゃないんだろうな。また閉館までいて追い出される。