スキャン。4x5の48bitRGB、アンシャープ中、トーンカーブリニア、他の付加機能なしで、3600dpiだと1.22GBで6.5m程度、4800dpiだと2.74GB、15m程度。
メーカーの取扱説明書ではベース面側を受光部に向けるようになっている。乳剤面側が手前で、見たところ逆像。これならそのまま正像のスキャン結果が得られるのだが、これは誤っているのではないか。透過原稿の光学的読みとりに際しては、ベース面の後に乳剤面を通る光路が正しいはず。そうすれば乳剤の像がベース面に攪乱されない。逆像になるが、引き伸ばしであれ密着焼き付けであれ、乳剤面側同士を向かい合わせていたのであって、後から左右反転すればいいだけ。ネガのスキャニングをしきりにやっていた10年前にKonicaに問い合わせたときにも、乳剤面をセンサ側に向けるようにとの回答だった。
10年前には、ほとんど影響がないと思ってはいながらも、迷光を防ぐために遮光カーテンを閉めて暗くし、昼間だと電源にノイズが乗るというので深夜にスキャンし、はてはスキャン中は振動を与えないよう動かずじっとしていた。まあ少なからず常軌を逸している。そうして傾いたといっては直し、そこまでやってもときおり暗ノイズが乗るので何度もやり直していた。莫大な時間をつぎ込んでいた。今考えるとまったくの時間の浪費。スキャナの基本性能とあのノイズを考えると、当時せっせとためこんだデータは今となってはただのゴミ。
あれをまたやるのかと思うと、気が重くなる。
スキャナのダストカバーはもうどこもつくってないらしい。これほどほこりを嫌うパソコン周辺機器は他にないのだが。スキャナ用のみならずダストカバーというものが全体に少ない。売れないのだろうか。ほこりをかぶるというのは当の製品を使っていないことを意味するのだから、その製品ジャンル自体が売れずに消えていくということか。
以前使っていたサンワサプライだかのA4フラットベッドスキャナ用ダストカバーは、引越の際捨ててしまった。汚れてたから。とっとけばよかったか。
UMAXのスキャナドライバMagic Scanのほうが、EPSON Scanより使い勝手はずっとよかった。Photoshopで作製したトーンカーブを読み込んでそのまま結果に反映させられるのが便利だった。スキャン時に左右反転や回転を設定できるのもよかった。フィルムスキャンでは左右反転は必須。初期のヴァージョンではこれをやると読み込み速度が低下したが、次第に速度が向上した。どちらの機能もEPSONには装備されていない。
しかし、これからEPSONのスキャナドライバの操作性が向上することはないだろう。
むろんスキャン結果はUMAXよりいい。ただ、POWERLOOKIIIは、15年も前のスキャナとしては格段によかったと思う。解像度は低く最大読み取り濃度も低いが、画像の素性がいいのだ。
48bit画像の保存フォーマットとしてはTIFとかJPG2000があるが、PSDはない。Magic Scanでもそうだったので、特許料などの問題だろうか。それとも汎用性が低いからか。UMAXではTIFで保存したのをPSDで保存し直すとファイルがだいぶ軽くなった。チャンネル14bitなので16bitの末尾2桁が空だから、TIFでは空でもその部分のファイル容量がかさばるのが、PSD形式だと圧縮されたのだろう。ところがGT-X970の吐き出す48bitTIFは、PSDにしてもまったく軽くならない。それどころかPSDのほうがほんのわずかだが重くなる。16bitの末尾までぎっしり情報が詰まっていて、それだけ階調が豊富なのだろうと思わせる。PSDのほうが重いというのはよくわからないが、ファイル管理情報部分がTIFより長いのだろうか。