出掛けには、薄い巻層雲が広がるものの世間的には秋晴れとやらに相当するような空模様。
預け先の冷蔵庫から回収したPortra400NCを昨夜装填。装備一式をしょって出発。この写真器の使い納めかもしれない。駅について、せっかく三脚延長用のManfrotto 131Dアクセサリーアームを持ってきたのに、それを三脚につなぐ雲台を入れ忘れたことに気づいた。このままでもアクセサリーアームを直接三脚につなぐことはできるが、それではアームが水平になってしまって高さは増やせずほとんど意味がない。
実は今回は、去年の8月にFで撮影した結果に不満があって、同様の対象を再撮影するということだったのだが、Fでもこれと同じことをやっていた記憶がある。うまくいかなかった一因も高さが足りないことだった。同じことを繰り返すとは。3枚くらいしか撮れなくて枚数が足りなかったのが大きいけれど。
しかしFほどは目当ての対象が高くなさそうだし時間もないので、戻らずにそのまま現地へ。
その場所とは、人形町Vision’s、ほかならぬ今回の展示場所である。
ところが、やっぱり高かった。前回よりさらに高いかもしれない。遠い……延長できない。どうする。いすを3脚借りて三脚の足3本の下にそれぞれ入れて高さを稼ぐことにする。クッションが座面にあってふかふか。三脚もぐらぐら。でも室内で風もないので揺れないはず。写真器の位置は床上3メートル近く、手は届かない。でも脚立が借りられるので作業はできる。Fでは脚立を借りるのに気が引けて、どのみち手が届かないのだからとあきらめたのだった。
15時半頃から露光開始。室内はEV10.5/ISO800程度。2枚は10m、その後5m。室内の蛍光灯を消したりいろいろ。露光中にフィルムの詰め替え。5mの露光中にだいたい1枚。今回は記憶する限りはじめて他人に撮影を手伝ってもらう。立ち会う程度ならこれまでにもあったが、作業に介入されたことはなかった。時計を忘れて秒時をカウントしてもらうがこれは便利。ただ、効率は上がるが気が散りやすい。ダークバッグでの詰め替え中に世間話していると、1本ずつならいいが3本くらい入れたらたぶん間違えるだろう。やっちゃったかも。今回は脚立の上だし時間も限られていたのでアシスタントがいてくれてたいへんありがたかったが、通常の撮影ではいつもどおり一人でやったほうが集中できて気楽でいい。
夕刻は積雲だけで一般的にいうところの晴。しかし雲が多くて照度がころころ変わる。
17時頃から7m。16時頃から10m。はじめ室内灯を消すが、点灯させたほうがガラス戸に三脚が映っておもしろい。そのうち、ガラスにいろいろ映り込んでるんじゃないかと気になってくる。たいていはたいしたことないものだが。しまいには脚立も気になって露光中は隠す。これは影響していたろう。さらにハロゲンランプもつけて室内の最大照度。
19時過ぎ終了。20数枚。フル稼働。かなり消耗。
終盤だいぶ焦っていたが、脚立ごと転倒しなくてよかった。
あとで考えたら、Fでは遠すぎて不満だったが、それを意識しすぎるあまり、今回は寄せ過ぎばかりだったかもしれない。もうちょっと離したのもやっとくべきだったかも。大手町も浅草もそれでしくじって、結局最初のがいちばんだった。反省はいいんだが、やりすぎちゃうのか勘どころを外しているのか。ここでも前回のFに戻る、というのはせつなすぎ。うまくいってるのをただただ祈るばかり。