ようやくにして試作品完成。しかし……おおいに不満。
この工程ではここが限界と割り切り、機械加工に切り替えることにする。さっそく近所の工場に行って試作品を見せると、たいへんな時間がかかる、数百万になる、同業者ならどこに持っていっても同様だろうとのこと。
製造業の惨状を聞かされ、工場を見せてもらう。
10数年飯の種としてきたAdobe IllustratorIndesignPhotoshopあたりは習得が容易な一般向けのアプリケーションで、これを使えるDTPオペレータなんてあぶれているが、Autodesk Autocadはより専門的かつ高価なアプリケーションで難易度が高く、容易には覚えられない分使えれば食いっぱぐれなし、と理解していた。ところが製造業の第一線からすると、Autocadなんてただのおもちゃとのこと。よくわからないが2DCADで精度が低くてパスがダメだそう。DXFとかDWGといったファイルフォーマットそのものが使いものにならず、所詮はデザイナーレベルのプレゼン用のソフトであって、製造の現場で使える代物ではないんだとか。
では製造業者が何を使っているかというと、300万とか1000万とかするものらしい。聞いたこともないソフトばかり。保守費用だけで年間数100万払うんだとか。
きっとアクティベーションとかハードウェアプロテクトとかいうしょぼいコピー防止策などなく、ROMに書き込まれたそのハード専用のプログラムとかなのだろう。
たいそうな豪傑がいて、それを上回る大物がでてきて、さらにそいつが裸足で逃げ出すような大人物が西郷隆盛だとか、やったことないけどPCゲームのラスボスとか、そんな調子の話。
とにかく、これまでの手作業のウェットプロセスでやるほかはない。それはよくわかった。