試作できる。やや欠陥は残るものの、工程がほぼ完成した。年内にどうにか間に合った。
いける。
しかも向いている。
20代末の着想、その前から錬成してきた暗室と修整と製版の技術、薬品と工具と素材への理解、近年の仕事を通じて得た知識、それらがより合わさって結実した。これらすべての土台があってここに至ったのだ。他の誰にもこれはできない。
ひとたび獲得したがやがて放棄した技術がここでおおいに役立っている。無駄じゃなかった。
次の段階へ。