WORKS3日目。保土ヶ谷は後回しにして千葉港。日没前で光線状態が悪い。天空光と日光とが混ざっている部分でニュートラルが出ない。すっきりしない中途半端な色合い。低空も黄ばんでいる。これも7.5時間やって最後のセットを残す。頭髪に加工を施し耳輪を下げ土人の風習を今に伝える業界人連中は土曜には少ない。すいているとWORKSも快適。
いまだレンズボードのないジナーf2をいじりまわす。ティルト40°ではレンズ改造などでたりない局面が出そうだが、ティルトのロックピンを削ればもっと倒せるのではないかと気づく。これができるならシフト量が少なくても支障はない。今回焼いている6x12ではいずれのセッションでも画面上方で濃度が下がっており、おそらく蛇腹の内面反射のためだと思われる。袋蛇腹は切り返しのある蛇腹のように構造上内面反射が防げるというものではないし、ジナーの袋蛇腹の素材は反射が多い。接合部位のプラ部品は思いきり光沢があり、これのせいかもしれない。とにかく広大なイメージサークルを持つレンズを使うのでフードは必須。ついてきた標準蛇腹を使うとして、前フレームがもう一つ必要。後フレームとカメラバックはケラレ対策で削る必要があるし、クランプはやはりシフト量が少なかった最初期型fの低いクランプのほうが使いやすい。ということでもう一台ジャンクがあったほうがいい。標準レールは売りとばすか。フードつきなら延長レールやロッドや蛇腹ホルダも必要。物入りだ。ボススクリーンはだいぶ前に製造中止とのこと。こんなことなら。しかし所有しているホースマン6x9用はドイツのメーカーサイトでまだ売っている。かなり癪。これもヤフオクかebayしかなさそう。
ebayではアメリカからの出品はたいてい北米限定。ワールドワイドに配送可能なのはEU圏からの出品。しかしロンドンからならともかくドイツ語だったりするとお手上げ。ユーロの決済もよくわからない。ヤフーもろくに知らないのだから手を出すには早すぎ。
ebayは思ったほど安くない。運賃を考えるとむしろ割高。外国が高いというより、日本での大判の値崩れが早いのだろう。業務用もそれ以外も競ってデジタルに移行しているのはここだけなのではないか。ジナーは特に業務用途が多いだろうから値崩れが激しい。しかしfはほとんど出つくしてしまったらしく、一時期はフジヤにも常時3台くらいあったものだがあまり見なくなった。中古を購入した層が吐き出すまではしばらくかかるだろう。業務用の放出はp2とf2が中心になっているようで、ヤフーでのp2の出品は多い。
ということで思い立ってf2のフロントを分解。スタンダード部分をはずしてティルトの留め金を金鋸でギコギコ。半分くらい切ったところで根元からぽっこりとれた。食いこませてあるだけのもの。ティルトのゼロクリックのボールが固定されていないので行方不明になる。センタークリックが出ない。やや絶望的な気分になりながら探したら床にあった! 1mm程度のスチールの球。よく見つかったものだ。さらにシフトロックレバーがティルト時につっかえるのでうしろむきにする。バックのシフトロックレバーと解除方向が逆になるのでややとまどうが使えなくはない。これでフロントの前ティルトは約60°以上。70は行ってそうに見える。後ティルトは100°ほどか。スタンダード部を鋸でちょっとこすって軽い傷をつけてしまったが、それに目をつぶれば首尾はまずまず。スペックアップカメラの一丁あがり。こんな改造が素人にもあっさりできちゃうのがビューカメラのいいところ。ライズ量が少なくてもどうということはなくなった。ライズシャフトが短いほうが運搬の時に出っぱらないのでかえっていいかも。
当然水準器は狂ってしまったが、これの調整がすっきりいかない。基本的にはきわめて合理的に設計されたカメラではあるのだが、細部への配慮は国産のほうがいきとどいているような気がする。
p2はギア駆動なので回転角に余裕はないだろうから、こんなカスタマイズは無理だろう。p2のベース45°+センター19°計64°のティルトよりもティルト角は大きいかもしれない。p2の非対称アオリは特にフロントでは使いづらいことが容易に予想される。fはスイングに関しては光軸に回転軸が一致しているから、p2より使いやすいということができる。まあ今やp2でも2、30万、pに至っては8万程度で買えちゃうのでそんなに羨望の的というほどでもないし、何しろ重い。本体だけならともかく三脚もひとクラス上を使う必要があるので現実的ではない。