PLACEMカラー暗室初日。DurstCLS450はガタガタ。ヘッド乗降ハンドルにかなりの遊びがある。いやもうあれは遊びというレベルではない。半回転ほど空回りしてからようやく動きだすありさま。しかもヘッドを上げていくと途中で止まってしまい、押し上げてやってどうにか上がり出す始末。平行が来ているのか不安。明日はParallelレーザーツールをもっていって確認することとしよう。ピントノブの反応も悪い。フィルターの連続性にも疑問がある。ダイクロフィルターが焼けている懸念がある。何しろ古い。
しかし広い。そして個室占有は使いやすい。やや暗いがタングステン光で観察できる環境もある。照明のスイッチが露光時の手許からだいぶ離れているのはやや難ありで、それ以外も邪魔なものが多くて動線に支障があったりもするのだが、露光後の印画紙をダークボックスに入れてダークカーテンを二回通るという手続きがないし、プロセッサーの順番待ちもないのできわめて効率よく処理できる。LuckyCP51ははじめて使うが、コンパクトなわりに安定している。便利なのは、印画紙をくわえさせて搬送がはじまってしまえば、あとはふたを閉めれば最後まで吸い込まれるのを待たずに明かりがつけられること。WORKSであれDoPrintsの大全紙機であれ、プロセッサに最後まで飲みこまれるのを暗闇の中でただ待っていなければならないのだが、その必要がないため大伸ばしほど時間の節約になる。WORKSのノーリツ業務機のように現像の進行具合がわからないのはちょっと不便だが、時間での進行予測に慣れるしかあるまい。これはいい機械だ。日東カメラでは中古CP51の出物待ちの予約が10人くらいたまっているらしいけれど、さもありなんというところ。液の管理と機械の面倒を見る覚悟があるなら、これは値段に見あう買い物だろう。日東に嫁ぎ先の決まっているCP51が置いてあるのを見て欲しいなとも思ったのだが、後処理乾燥モジュールをつけて補充液のボトルも用意することも考えると、1畳分をゆうに越えるスペースがまるまる食われてしまう。電力も必要なようだし、PLACEMで現物を見れば、これは現実的でないと納得する。現状では置けても、この先それだけの広さを確保できそうには思えないし、維持はむずかしそうだ。PLACEMのはこれでスタビ処理でなく水洗ならば申し分ないのだが、レンタル料が安いのでそこは我慢すべきだろう。なるべく長く持たせたいセッションはWORKSで焼いて、まあ2線級かなというのはここにする心算。
カラー暗室は雑然としているとはいえまあまあ充実している。伸ばし機を除けば。Saundersのイーゼルが大全紙、小全紙、大四つと揃っていて、WORKSでは大全紙をいくぶんもてあましていたのだが、小全紙が使いやすい。ギロチンカッターとダークボックスがないのはちょっと不便だが、WORKSは工程上ダークボックスがどうしても必要だからあるだけで、なければないでどうにでもなる。
しかしながら、ちらっと覗き見した限りでは、モノクロ暗室はさほどほめられたものではない。ブースも狭いし大伸ばしに制約がありそう。あまり清潔にも見えない。伸ばし機はおそらく古めの集散光式で、全体に機材はうちのほうが充実しているくらい。ドライングネットとドライマウントプレスがあるのは負けるけど。ただ、さすがに水回りは一般家庭とは別次元。浄水フィルターもかましてある。
中野。8時間で大小ひとそろい焼き切る。コンタクトは別として、全部一日でこなせたのは今までなかったのではないか。場所がはじめてで、慣れるまでにしばらく時間を要したことも考えるとかなり上々。中野は条件がわりあい安定していて焼きやすかったということもあるし、あんまり神経症的に細かく執着しても意味がないと思うに至ったということもある。今回のも、最初がややマゼンタに転んでいて、結局それに揃えたのだが、昼白色光下ではむしろそのほうがニュートラル。あんまり細かいこといってても疲れるだけだよ。
結局ネガキャリアの位置決め用の板は意味がないのではずす。ガラスの押さえ板もかねているのでガラスが落ちないか不安だったが、シリコン接着剤で固定されているようだ。いままで覆い焼きを右手側で行えるようにネガをセットしていたが、ガラスの切りあとでネガに傷が入るのが不安なので逆にする。覆い焼きにはやや不便があるがどうにかなっている。
中野は色味が少ないので2線級扱いにしてしまったが、これは悪くない。よくやったものだ。ほんと。