予報に反し朝から曇。週間予報では来週も望み薄。昨日が最後の機会だったのだろうか。それも与えられた条件とそれに対する精一杯の判断だったのなら、万事やむなし。昨日届いた定型DMの発送作業。
テレ*コム*センターとビッグ*サイトのネガ引き取り。テレ*コム*センターは前回同様直線がぐにゃぐにゃ。やはりQLは平面性が著しく悪い。熱によるたわみではなかった。直線が多い対象で横位置の場合は使えない。この結論に至るまでネガ4枚、いや8枚、フジも入れると15、6枚、8,000円以上無駄にしている。ビッグ*サイトは色はともかくフレーミングはまずまず。水没ネガほどではないのだが。いざとなったらこれを使うか。いや今回は出さないかもしれないけれど。
18時からPlaceM。Rodagon150mmをリンホフボード1番の穴に通し、ボードを引き伸ばし機のレンズボード受けの穴に置いてガムテープで固定。レンズボード受けはフラットボードだといちいち元に戻して次回またつくらなきゃならないので、使われずに放ってある50mm用の凹みボードを使用。8x10だと繰り出しがギリギリだがどうにかなる。リンホフボードはレンズボード受けの上に乗っているので精度は問題ないが、レンズはガムテでぶら下がっている状態なのできっちり固定しないと平行に支障が出る。Parallelの平行ゲージは去年瀬戸さんに教えてあげたもので、あるかと思ったら隠してあるようなので自前のを持ってって平行を確認するつもりが忘れる。あそこのピントルーペはどれもがたがたで使いものにならないので持参した自前のピークI型で見たところ、だいたい全面にピントが来ているような気がする。まあモノクロと違ってカラーの粒子はほとんど見えないので確証は持てないのだけれど、まあいいことにする。
でケラレだが、上のランプハウス側はゆとりが出る。だが、画角を狭めることでレンズから散光板に対する見かけの角度をより手前のフィルムよりも大きくしようという狙いなので、さらに手前のケラレは悪化することになる。ネガキャリア受けの円状のステージによる四隅のケラレは拡大する。あちらを立てればこちらが立たず。しかしリンホフ1番の穴がオフセットされているため自然にレンズがセンターから外れ、ブレードの幅が広くてまったく使えなかったSaundersの20x24イーゼルが使えるのは大きいので、これで行くこととする。印画紙をセンターに置くスリットは使えないが、オフセットされた位置に印画紙を全暗中で置けるように定規とガムテでガイドをつくる。これで印画紙のセンターに画像を焼ける。ラボ流の指定では余白均等。これまでいかなる制作上の困難も理詰めの試行錯誤と工夫によって乗り越えてきた。最後にものをいうのはこれだ。「カスタマイズ」ではない。客として注文しているようでは埒があかない。自分の目と手で格闘しなければ問題の核心が把握できない。誰もやっていないことをやろうとしているのだから現実上の障壁はつきものだが、技術的な問題に屈したことは一度もない。必ず切り抜けるという自負がある。
これが仕上がった時点で45分経過。工芸*高校にかかる。大伸ばしした時のシアンかぶりの正体がわかってきた。下の方がネガが濃いので光量が少ない。その分相反則不軌でカラーバランスがずれる。そこに合わせてフィルター値を決めると、上部のもっと明るい部分が赤に転ぶこととなる。画面全面での色の均一性が崩れてくるのだ。結果、8x10では納得のいく色が出たのに、20x24に伸ばすとどうしても同じ色が出せないという事態に陥る。光量低下の激しいネガを大伸ばしするとこういう問題があったのだ。しかも、光量低下による相反則不軌で崩れたカラーバランスを補正しようとフィルターを大きく動かすと、フィルターの濃度のためにさらに暗くなってカラーシフトも増大し、フィルター補正がきかないという事態に陥る。初日の有明がカブリっぱなしだったのはこのためだ。いままでどんな問題も克服してきた、はずなのだが、こればっかりはいかんともしがたい。Omegaのような光量切りかえもなく、ランプが明るくならない限りどうしようもない。Rodagon150mmには半段クリックもないし、現状1段絞り込みで限界。さすがにレンズを開放で引き伸ばすわけにもいかんだろう。でもモノクロの集光式ならレンズを開放で使うのが必須なので、引き伸ばし機の精度上の問題はともかくレンズの仕様上はまったく無理というものでもないといま気がついた。開放にすれば露光時間が半分になり、光量は倍、相反則不軌はあっても軽減されるはず。どうする。今日までのは妥協してこれで出すしかないが、次回以降開放でやってみるか。しかし同じフィルター値で焼いているのに色が違うのはどうしたものだろう。
両国橋は日没前で薄いネガだから光量も比較的多く、カラーシフトは少ない。しかしゼロではない。3枚焼いたところで0時45分。レンズボード受けをはずしたら、レンズは浮いてぶらさがった状態だった。ピント精度も何もあったもんじゃない。次回はスーパーX持参でひっつける。息せき切って新宿駅に駆けつけたら、うっすら予想はしていたが終電が10数分遅れていて充分間に合った。しかし酔っぱらいに倒されて展示用のプリントの箱をぶちまけてしまう。キズが入ったか。あーあ。