どんよりした空だと気が滅入るし、天気がよければ持ち直す。どうやら単純な人間の典型的な傾向らしいこの浮き沈みは、ずいぶん昔からのおなじみさん。晴れ上がったら気分晴朗。ここでどうにか崩れ落ちずに踏みとどまっているのかもしれない。
ところが、天気がよすぎるとかえって落ち込むようになってしまった。なぜか。せっかくの好天なのに撮影に行けない日々を呪い、強引に撮影に行かなかった判断の誤りを悔いるからだ。かくして、晴天が大好きなはずなのに、快晴の日には雲が増えて天気が崩れるのをまさしく天に祈る羽目に陥る。実際朝晴れていて夕方雨が降るとほっとする。なんたることか。
そんな調子で空を見やりながらぼーっとしていると、飛蚊症が悪化しているような気がしてくる。気にしながらも検査せずほったらかし。これで失明でもしたら救いも何もない。文字通りお先真っ暗。ブラックホールだマンホール。飛蚊症も長いおつきあい。かなり幼い頃から妙なものが視界を泳いでいた記憶がある。飛蚊症が顕著に目につくのは空とか無地の壁といった平坦な視覚的対象を見ている場合であり、記憶にある飛蚊症の蚊も空をバックに飛んでいた。それだけ昔から空を仰ぎ見ていたわけだ。そこで冒頭に戻る。これもまたおなじみのぐるぐる。