深読みなのに深くない

いくつかの事例が列挙されていき、それぞれにどっかで聞いたような注釈が付与され、些末な論拠を頼りに強引な意味づけがなされていく。かなり退屈。でも、昏い山道を登っていったら突如として展望が開けるように、それらがいつか有機的にダイナミックにドラマティックに統合されて昂奮を与えてくれるのかと期待しながら耐えて聞くのだが、ただ投げ出されているだけ。放り出しっぱなし。回収されず。いったい何だったんだ。最後に申し訳のような空疎な言いくるめでケムに巻こうとする。あとはその言いくるめの作法を習得した者どおしの冗長な内輪話。それにしても鼻につくのがこのジャンル特有の衒学臭。あちこち資料あさって関連事例と文学の香りあふれるエピソードを拾ってきました。ってそんなの今どき検索エンジンで一発だ。その程度の博識なんてのは過去の遺物。
深読みのくせに浅い。たいがいにしてくれ。