引き伸ばし機の固定マスクだが、焼いてみないことには仕上がりがわからない。ネガもたまってきたことだしプリント。こないだの立川2回分9枚は夜間ボックスに入ったまま引き取りに行ってないけどあれはそのうちということで。
薬品はこないだのままのRA-4リプレニッシャーRT。去年の3月11日開封。1年もの。発色現像液は問題なし。漂白定着液はこないだと同様に沈殿していてさして劣化もしてない様子。テーブルの手前に溶解した発色現像液を入れたメスカップを置きながら、プロセッサの底に慣らし運転の水が残っているので排出させようと傾けたら発色現像液を倒し、腰から脚にかけてかぶってしまう。まったく俺ってやつはどうしていつも。ドクロマークこそないとはいえ。しかも床とテーブルの引き出しにもこぼれる。めげそうになるも、1回分に必要な程度の液量は残っているので気をとりなおして注入。発色現像液はあと1回分とれそう。漂白定着液はパートaが底にかなり沈殿していて振るとガサゴソいうし、1回分で284ml必要なのだが200mlと少ししかない。これでもやってやれなくはないけどさすがにもう使う気がしないので廃液貯蔵ポリタンクに廃棄。
さて紙。半額で買ってきたフジのAGはRA-4プロセスで使えるのか。この印画紙の素性がまったくわからない。富士フイルムの「お客様コミュニケーションセンター」に問い合わせるつもりだったのだが思い出した頃には終わっていた。FUJICOLORとあるのでネガポジペーパーには違いないし、まあ使えないことはないだろう、と開封。もう戻れない。四切だがもともとこのサイズで使うつもりはない。このプロセッサが12インチ幅までなので10x12というのは現状の環境からすれば手頃なんだが、展示用としては小さいしテストプリントやファイル用には大きいと、使用目的からすると中途半端なサイズ。全暗中で定規とカッターとカッティングシートを使って切る。15cm幅の定規を頼りに半裁して、8cm幅の定規をあてて長辺を切ってほぼ6x8、八切より短辺が1/2インチ程度小さいサイズ。残りの短冊はテストピース。1枚から2枚ずつとれる。全暗だと手探りだけの作業になるので、目安になるものの幅に合わせて切るくらいしかできない。LPLのロータリーカッターがあれば効率的なのだが、大きいのは3万とかする。なくてもどうにかなるものにそんなに払えない。でも安いギロチンカッターくらいはあってもいいところ。
引き伸ばし機にかけてみると、うすうす想像していたのだが150mmレンズでは4x5フルフレーム黒フチつきをこのサイズには伸ばせない。小さすぎて、蛇腹を一杯に繰り出してもピントが来ないのだ。あわてず引き伸ばしレンズを135mmに交換すると短辺5.5インチ程度でどうにか伸ばせる。ということはこの伸ばし機では4x5からキャビネには引き伸ばせないのだ。これまでにキャビネや八切にも焼いてきたが、たぶんコンタクトプリントばかりで気がつかなかった。結構蛇腹は伸びる方だと思うんだがな。まあ延長チューブをつくればいいわけだが、そこまでするほどの必要も感じない。大キャビネ買わなくてよかった。LPL7454の仕様を見ると150mmレンズでは1.6倍から5.8倍までとちゃんと書いてある。4x5の1.6倍だと6x8程度。150mmレンズの場合ではあるけれど、四方にくわえ部分があってフィルムの端が隠れる通常のキャリアで伸ばしての話である。5x7なんて無理に決まっている。八切が現状で4x5から伸ばせる最小サイズ。ということはこの半額印画紙を買ってきたのは正解だった。何しろ富士はもちろんもうKodakにも八切なんてサイズの印画紙はないんだから、切ってつくるしかない。結果としてちょうどよかった。でも大きいほうが5.8倍ってすごいな。台板上で24x30まで焼けるってことだ。135mmならそれ以上。支柱とレンズ光軸の距離も充分。印画紙とプロセッサとイーゼルがあれば可能なのだ。いやバットがあればプロセッサなしでもなんとかなる、はず。
AGは普通に焼ける印画紙。
固定マスクだがあまりかんばしくない。5mmだと反射が出すぎ。まあテーパーに削るなりヤスリがけして反射を減らすなりすればいいわけだが、エッジが思ったよりにじみが少なくアラがはっきり出るので、これはやりなおしたほうがいいかも。
といろいろ調べていたら藤本写真工業がケンコー傘下に! 年末にそうなったらしい。年を越せなかったんだろう。かわいそうに。それよりショックなのはQE45multi引伸機やQE69系全部の生産終了など大幅な製品ラインの縮小。正直引き伸ばし機の頑丈さでいえばLPLよりLuckyのほうが上じゃないかと思っていたし、プロセッサは独走状態だから本気で続けるだろうと思っていたんだが、身売りじゃなあ。4x5と6x9のモノクロダイクロフィルターユニットもなくなる。モノクロはゼラチンフィルターでということか。Durstは引き伸ばし機をとっくにやめているから、ダイクロフィルター形式のモノクロ4x5伸ばし機をまだ生産しているのは、確かこの形式の製品を最初に発売したLPLだけ。カタログに残っているのはフィルターユニットだけでVC7454はカタログ落ちしているけど。Luckyはラインを増やしすぎたということはあると思う。QEとV70-DとV70はかなりかぶっているので、整理されてもおかしくはない。しかし、Tamronに買われたブロニカの現状を見ても、Luckyブランドの先行きにはあまり期待できない気がする。自分の会社のかつて主力だった製品だとなれば無理しても存続させようとするだろうけど、経営統合先となると容赦ない経営判断を下すだけだろう。もうLPLしかないということだ。ここをご覧の暗室派のみなさん、LPL製品買い支えましょう。持ってたらランプとか周辺機器を買いましょう。今度レンズボードとディフージョンボックス買ってきます。でもCP31もあるから藤本がローラーとか水切りの交換部品を出し続けてくれないと困るんだけど。
プリント続行。