この時期らしく天気もずっとさえないし次の準備をしようかと。次世代器は人に言われたことが引っかかりずっと放置していて、めげるほどのものでもないとも思うのだが、どうも意欲が削がれてしまったまま。ちょっといじってみたが思うようにいかずあえなく挫折。
そこで作業中に思いついた案をやってみることに。Sinarf2ボディとこないだ買った多目的フレームとジャンク蛇腹でテストしようとあれこれ思案。買い物が無駄にならなくてちょうどいいと思ったのだが、蛇腹の改造に思いのほか難儀しそう。袋蛇腹のほうが山がないぶん楽に改造できそうだが、手持ちの純正袋蛇腹も自作袋蛇腹も本来の用途で使えないことはないのでばらすには惜しい。だいたいテストにしては大がかりになりすぎる。それにSinarは改造する上でわりあいつぶしがきく、自由度の高い設計ではあるものの、スタンダードの張り出しが無駄に大きすぎたり何かと障害がある。まあこんなろくでもない使い方を設計上想定できるわけがないし、設計者が思いもよらないようなトチ狂った使い方だからこそあえてなす価値があるのだけど。ここで無理して既製品を流用するより一から自作したほうが目的に最適化した写真器ができるのは現行の箱で確認済。あの時のSinar改造はほとんど無駄な労力だった。今回もそうなりそうな予感。よって改造はやめてまた合板で組むことにし図面引き。しかしベニヤのサイズがわからずハンズで確認する必要があるため先送り。
着想はいくらでもある。手っ取り早くできるものということで、リンホフボードの1番を引っぱりだしてきて結像系をつくる。そうだ、ハンズで合板を切ってもらった残りの端材の中に、1番のΦ42の穴にほぼはまるくらいの円盤があったはずだ。すぐに出てきて組みあげる。しかし思考実験の結果t5.5では厚すぎて所期の結像は得られないと判断し中断。ちょうど手頃なt0.3の銅板のが見つかったのでこれででっちあげ製本テープで目張りして完成。ものが捨てられないのは昔からで貧乏性のためではあるのだが、工作にはたいへん便利。創意工夫というのは、誰も思いつかなかった独創的なものをつくるというよりも、そこらに転がっているありあわせの素材と道具を目的に応じてうまく手なずけて使うことだと思う。限られた条件の中でやりくりしてどうにかしてしまう融通の能力。悪環境で鍛えられたのでそういうひねりだしにかけてはちょっと自信ある。創意より工夫。工夫大好き。しかし手持ちの材料がないことには工夫しようにもお手上げ。だから創意工夫の人にはガラクタの引き出しが必須なのだ。雑多なゴミクズがあって、どんなものがあるかをぼんやりとではあれ把握していれば、思いもよらなかった利用法がいつか編み出せる。その「いつか」使えると思うがためにものが捨てられず、うずたかく積み上がっていく。でもこれはコレクションではない。物欲や愛着でためこんでいるのではないから。むろん長期にわたって保存するためのアーカイヴなどであろうはずもない。逆にどんどん落ち着き先が見つかって捌けていくべきものたちである。それは蒐集でも収蔵でもなく、在庫、ストックなのだ。やっている写真もたぶんそう。売れ行きが悪く落ち着き先がどこにもないから、ただもう不良在庫としてたまっていく一方……というのも含めて。
勢いに乗って図面引き。やりだすと進むのだがやりだすまでが長くてなあ。