どうにか一山越えた。夕方からプリント準備。発色現像液はKodak純正がまだ残っている。2リットル分つくったがあと1回分ありそう。10リットル用となっているが12リットル近くとれるのだろうか。漂白定着液は、沈殿していた残りはさすがに廃液ポリタンクに投棄したので、一昨年暮れに買って未開封だった純正を使用。ヴェランダに貯蔵中の廃液はこのところだいぶ蒸発して目減りした。こないだ台風の時に1日キャップを閉め忘れて多少雨が吹き込んだかもしれないが、現像・定着ともあと10リットルは楽に入る。捨ててあると考えてさしつかえなかろうポリタンクを住居の敷地内で2本見つけたので、さらにストックできる。ひとまず容器を確保してストックしさえすれば、あとは自然に濃縮されるのを待てばいい。ほっとけば減る。ストックがコレクションともアーカイヴとも決定的に異なるところ。
オリエンタルの薬品はまだしばらく出番なし。オリエンタルの互換薬品については、さらに電話して聞いたところ、発色現像をKodak純正、漂白定着をオリエンタルとか、その逆のようなちゃんぽんも問題ないとのこと。Kodak互換薬品と富士互換薬品とでは富士のほうが4倍近く高いが、ミニラボなどで補充使用する場合には富士のほうが補充量が少ないので安くなるとのこと。でも卓上プロセッサで原液使いきりだと富士互換のほうがずっと高くつく。気になるのは富士の印画紙を使った場合の薬品とのマッチングだが、Kodak互換でまったく問題ないという。国内向けならいいが海外輸出用途だと印画紙の銘柄を混用されるので、幅広く対応できないと使いものにならないらしい。それならKodak互換とか富士互換と分ける必要もないのでは、とも思わなくもないが、それは印画紙とのマッチングであって、処理機とのマッチングとか他にもいろんな要因があるのだろう。富士の補充駅は専用カートリッジに入っていたりするし、われわれ小規模ユーザには縁遠いようだ。それから、薬品を小分けで使用する場合、一度開封した薬品の寿命は、未希釈原液も希釈済未使用液も同じで、密栓して2カ月程度、夏場はもっと短くなる、とのことだった。実際はもうちょっと長いだろうが、保証できるのはそのくらい、ということか。Kodak純正液は未希釈液も希釈液も約6週間とのことなので、ほぼ同等ということだろう。
オリエンタルダイレクトは人によって解釈が違うようで、今日電話した人はKodak互換OK、卓上機使用問題なし、という口調だった。前回電話口に出た人は色が変わるからおすすめしないと言っていたような気がするので、CP51あたりの補充液使用者から、Kodak純正薬品からオリエンタルに切り替えたら色が変わって以前のデータが使えなくなった、どうしてくれる、調のクレームを喰らわされて過剰防衛的になってしまったのではないか。データ至上の完璧志向でやってても銀塩写真は限界がある。印画紙のロットごとの偏差は避けがたいし、条件をすべて揃えようとするのは実際には困難である。ネガなんだしいくらでも補正できるんだから融通無碍に対応して、マテリアルのばらつきもそこで吸収するという対応のほうが現実的だと昔から思っている。条件が一定であれば必ず一定の結果が得られる、というのが写真処理体系を貫く理念ではある。いやそうでなくそのつど出たとこ勝負という人もいるだろうし、それを否定する気はないが、プリントの色や濃度やトーンなんてどうでもいいと突き抜けられるのならともかく、ある程度意図に沿った色や階調にしたいのであれば、条件と結果の関係の恒常性をある程度は保たないと、ロスがかさむだけだろう。一方、アダムズ型の完全に結果をコントロールしようとする態度は無理がある。条件を完全に揃えようとするとそれに費やす労力は並大抵ではなく、制作よりもそっちに注力せざるを得なくなってしまうからだ。条件無視の出たとこ勝負型と、条件と結果の一対一対応を要求する完璧主義者の中間に、現実的な落としどころがあると思う。われわれの場合は、かなりいい加減寄りだけれど。
4月23日にテスト撮影したネガからプリント。ブローニーのプリントはずいぶんひさびさ。2005年の個展以来かも。その時は6x12だったので150mmとかで焼いている。105mmレンズを使ったのは2004年にさかのぼる。LPL純正のガラスネガキャリアを使ってみる。ニュートンリングはあまり目立たない。絵柄のせいか。色転びが激しくて全部テストして色を見ながら焼いていたら一晩かかって1本10枚焼き切れない。それくらいがあたりまえかも。ネガ上では驚くべきさまざまな出来事が起きているのだが、これを印画紙上に落とし込むのはきわめて難しい。普通に焼くとほとんどの情報が抜け落ちてしまう。いや、これはネガプリントのすべての局面で起こっているはずの事態なのだが、通常はさほど問題にならない。主要な対象が輝度差の大きい部分にはないことが多いからだろう。しかし今回はまさにその渦中にある。しかも単純な覆い焼き焼き込みで解決できるものでもない。さしあたって、Pro160NSなど軟調なネガで撮影してKodakPortraあたりの軟調な紙に焼いてみることだろう。まだたまにネットオークションに出る期限切れKonika160PSあたりでもいいかも。
今回はプロセッサを回しっぱなしにせずに就寝前にPETボトルに密栓貯蔵。蛇腹ボトルは腐るほどあるのだが、中にどんな薬品成分が残留しているかわからず安心して使えたもんじゃない。飲料用PETボトルのほうが写真薬品貯蔵タンクよりきちんと密栓できるような気がする。写真用蛇腹タンクは縮めて密栓するといつのまにか膨張している。でも鏡月グリーン25度の1升ボトルもそれはそれで怪しいし、入りきらなかった分をマスカットフーズの印度の味の瓶に詰めたのでカレー臭汚染が懸念される。