スポッティング(6) 針

百均の補修用針27本セット。顕微鏡で覗くと全部針の頭が扁平になっている。安物だからだろうか。縫い針は注射針のように刺すためのものではないから、もともととがっている必要はない。ちゃんとした製品でもこうなっているのか。ユザワヤの針売り場に顕微鏡持ってって調べようかと一瞬本気で考える。ただ、よく見るとてっぺんが平らになっている周辺にバリがあり、平らなものに打ち当ててつぶしてあるようにも見える。危険がないようにわざと丸めてあるのかもしれない。
27本のうちいちばん細い針を百均のセラミック包丁研ぎ器で研ぐ。百均ばかりで写真修整のプロに怒られそう。技術をないがしろにするつもりはないのだけど、百均にあるしょぼい品物を工夫して使うのが好きなんです。10倍で見る限りではかなりとがっている。
筆先がもげてしまった白桂の柄に針を刺してネガのホコリ跡を突いてみる。根本がゆるゆるでどうしようもない。しっかり固定しなければ話にならない。割り箸にでも打ち込むか。
編集者になってすぐに買ったStaedtlerのディバイダの針先がチャック式に固定してあったと思い出し、ひっぱりだしてみる。現行製品とは細部が違う。刺してある針は太くて先は丸い。これを外して研いだ針を固定。
そして例のネガをちくちく。固定はしっかりされているのだが、固定部分が針先から離れているので、力を加えると針がしなってしまう。これでも使えなくはないが、針先からなるべく近いところで固定できる軸にするか、針を太くしたほうが作業効率は高い。ディバイダにもともとついている針を研げばいいじゃないかと思わなくもないが、太くて先が丸く、研ぐのに手間がかかりそうだし、駄目にしちゃうともったいないので温存しておく。