のはずが爆睡。呆れかえるほど寝呆ける。疲れがたまっていたのか。いや単に生来のなまけぐせを発揮しただけか。結局何もしておらずバット洗浄や部屋のかたづけからやりなおし。個展前はあんなに生産性が高かったのに。だがそれも直前だけの話で、もっと前からやっていればそこまで追い込まれる必要もなかったわけなんだが。
依然億劫。なんでこんなにやる気がないのか。終わったものだからだろう。2002年のネガも、多摩川も。技術的にもほぼできあがっている。
とにかくやってみる。発色現像液は大五郎分の8lのみあけ、1.8lのボトルに入れておいたのは透明度が低く酸化が進んでいるようなので廃棄。まず貯蔵液そのまま使って処理し、正常に処理できるあくまでわれわれの要求水準においてだがのを確認したのち発色現像液を800ml補充。漂白定着液は発色現像液よりも変色が少なく、沈殿もほぼないのでそのまま使えると判断し補充はなし。2l分は密栓容器を探して早めにプロセッサで使おう。
浴室の前にずっとぶらさげたままだった昭和記念公園のプリントをはずす。乾燥が間に合わず搬入に持っていけなかったプリント。ベース露光を少なくして焼き込み秒時を増やし、空を明るく焼いたものだが、明るすぎた。空が暗く落ちていてよかったのだ。そのほうがネガに近いし、空が濃くてほんとうらしくないのがいいという反応が多かった。今にして思えばその通りだと思う。焼いているときには、DMでCMYKの限界により空の色に不満が残ったこともあって、あまりマゼンタ成分を増さないよう、空を明るくする方向に転んでいったのだが、展示したプリントが、このネガに対する解として正しかった。
21℃、約3mでテストプリントを数枚焼き追い込み。展示用のプリントは天地左右の余白の幅が均等になるように、左の余白を天地と揃えて右側を切っていたのだが、その必要はないので左右センターに近づける。しかし乾燥の時の洗濯ばさみのあとを切るため、ややオフセットを残す。搬入前に多摩川の別ネガを焼き直そうとセットしてそのままだったのだが、3週間近くたってもピントが狂っていない。7453以前のフリクション式でも充分信頼性高い。ホコリとりもしてあるはずなのでそのまま焼けばいいのに、ガラスの上を軽く吹こうとネガキャリアをとりだしてしまい、結局また入念にホコリとりをすることに。3つあるはずのブロアが見つからず、エアクリーナもガス切れ。どうする。エアレリーズのバルブをはずしてみたらブロア代わりに使えた。そしてプリント。
どうだったのか。空に露光ムラは認められない。すばらしくなめらかに暗く落ちていく空。銀塩写真技術の粋といっていいと思う。あんなろくでもない使いかたをしてさえこれだけ出るのだから。このネガから焼いたのを展示すべきだった。でも、もういい、もういい。展示したネガの露光ムラがたまたま気まぐれに出ただけのもので、この箱や撮影方式自体の欠陥ではないと確認できただけでいい。
水洗時、印画面を上にしていると水の上に浮いて水洗できなくなるのでつきっきりで洗う必要がある。時間があるなら、そうやって1枚ずつていねいに仕上げていったほうが、印画紙の無駄も出ず結果として効率的に作業できそう。