薬品がらみの記事だと被アクセス数が減る。無理もない。こんなことばっかり書いてたら見放されるかも。でもめげずに続ける。本人にとってはおもしろいのだ。未踏の領野に踏みだすときはいつだってこうしたもの。
エコジェット定着液の溶解比率を伝授いただく。水200mlあたり3錠。処理本数は135-24EXで6本ということなので、単純に面積比で、4x5なら18枚。エコジェット1パックが40錠で5パックなのでこれをきれいに使い切るには1回22錠として1,467mlで132枚、1,467mlでは液面が低すぎたら25錠に1,667mlで150枚。錠剤をずいぶんたくさん使う。ただこれはオーバーフロー形式での補充量であって薬液の限界性能ではないのではないか。それにエコジェットを使うコニカCNK-4 J1のチャートを見ると、漂白と定着の間に水洗なりそれに代わる工程がなく、漂白液の持ち込みで定着液の能力が下がるので、その分使用可能量が少なく設定されているとも考えられる。第1水洗は挟むつもりだし、定着液は補充なんて面倒なことをせず全量交換、あるいはモノクロのように2浴定着にするかもしれないので、そうすれば使用可能量は増えるはず。しまったそうすると5槽になるからもっとでかいトロ舟のほうがよかったか。いつも買って使ってみてからわかる。いやこれは使う前から推測できそうなものだが。
しゃーない第1水洗槽を湯煎せずに室温で行うか。
昨夜ヒーターをつけておいたら、ラバータンクに張った水の水温が外の直接温めている水とほぼ同じ30℃で平衡状態になっていた。時間はかかるけど、ラバータンクのままでも充分温度管理できる。さすが往年のKodak製品。現在再び湯煎中。暖まったところで希釈し、不要ネガからテストしてみる。おさえで露光しておいたものの他のネガが良好だったので結局現像に出さなかったQLネガがたくさんある。捨てちゃったのも多いのだが、こんなことなら全部とっておくんだった。この際過去の4x5カラーネガを全部現像してみよう。発色現像液を交換する前に、依頼撮影で使って現像しなかったカラーポジもクロスプロセスでやってみるつもり。
ラバータンクが1,800ml程度、適当なPETボトルがないのでポリタンクを当座の保管に使うことにして、これが満タンで2.220ml。
 
カラーネガフィルムノーマル現像のための薬品作成法と処理条件 第1版

  • 発色現像液:精製水420ml+スターター47ml+CNL-N1R A液700ml+CNL-N1R B液700ml → 1,867ml

      (ポリタンクを満タンにするには 精製水495ml+スターター55ml
       +CNL-N1R A液825ml+CNL-N1R B液825ml → 2,200ml)
     ・5m15s(30℃)、3m5s(37.8±0.2℃)、30sに1回攪拌

  • 漂白液:精製水600ml+CNL-N2R1,200ml → 1,800ml

     ・1m30s(30℃)、50s(35−41℃)

  • 水洗:溜め置きの水道水

     ・2m10s(18−42℃)

  • 定着液:浄水器で濾過した水1,667ml+エコジェット タイプJ1 N-3 25錠 → 1,800ml程度か?

     ・3m40s(30℃)、2m10s(35−41℃)

  • 水洗:給湯器からの流湯

     ・2m10s(18−42℃)

  • 安定液:CNL-N4R 8L用原液が84ml、21mlに精製水を加えて2L

     ・70s(30℃)、40s(35−41℃)

  • 発色現像補充液:CNL-N1R A液8ml+CNL-N1R B液8ml → 16ml/4x5 (CN-16を参照)

タンク+ハンガー方式の長所の1つは、処理開始時と終了時の操作が迅速に行える点にある。ロールフィルム用のステンレスタンクやロータリータンク、コンビプランのような明室処理型のタンクでは、液の注入と排出に時間がかかり、これが現像ムラの一因となるらしい。これらに処理液を入れておいて暗室でフィルムを突っこむ方法で行っても、蓋をする時間は必要となるし、排出には相応の時間がかかるだろう。ところがハンガーなら瞬時に出し入れが可能。ただし、迷わずタンクに入れられることが条件となるが、こつがわかってきた。
C-41本来の処理条件では、発色現像は37.8±0.2℃で3m15sだが、カラーネガフィルムの自家現像の場合、処理の安定と現像ムラ抑制のためには3分では短すぎるという理由で、30℃5m30sで行われることが多いようだ。ところが、タンク+ハンガー方式なら、慣れれば出し入れに時間がかからないので、3分程度でもやってやれなくはないと思う。しかしヒーターが35℃までしかないので、データも豊富な30℃をさしあたり採用する。処理時間が長いほうが、ちょっとした操作の遅れなどの影響が抑えられるということもある。
定着液がやっぱり濃すぎた。こいつは3,150mlに伸ばして今後は1,800mlあたり15錠程度か。
しかし定着液の寿命が短いとなると、2浴定着で限界まで使いこんでやる前に劣化しそうな気もしてきた。それなら1浴でどんどん捨ててったほうがいいかも。
 
カラーネガフィルムノーマル現像のための薬品作成法と処理条件 第2版

  • 発色現像液:精製水420ml+スターター47ml+CNL-N1R A液700ml+CNL-N1R B液700ml → 1,867ml

     ・5m15s(30℃)、3m5s(37.8±0.2℃)、30sに1回攪拌

  • 漂白液:精製水600ml+CNL-N2R1,200ml → 1,800ml

     ・1m30s(30℃)、50s(35−41℃)

  • 水洗:溜め置きの水道水

     ・2m10s(18−42℃)

  • 定着液:浄水器で濾過した水1,800ml+エコジェット タイプJ1 N-3 15錠

     ・3m40s(30℃)、2m10s(35−41℃)

  • 水洗:給湯器からの流湯

     ・2m10s(18−42℃)

  • 安定液:CNL-N4R 8L用原液が84ml、21mlに精製水を加えて2L

     ・70s(30℃)、40s(35−41℃)

  • 発色現像補充液:CNL-N1R A液8ml+CNL-N1R B液8ml → 16ml/4x5 (CN-16を参照)

 
やった。まず7枚。像は出ていて色もある。銀は抜けている。正常な結果になっているかどうかはプリントしてみないとわからないけれど、この用途なら実用に耐えるのではないか。思ったより簡単。決められた手順をきちんと踏めば正しく処理されるようにできている。それが現代の工業製品としての写真というメディウム
反省としては、まずQLフィルムからガイドを剥がすときに力を加える必要があり、膜面に触れざるをえないので、手袋は必須。ヒーターのコントロール部はヒーターからあまり離せず、パイロットランプがカブリの原因になる。ハンガーはまだタンクに的確に入れられない。
これで2,000円程度の現像代を節約できたわけだ。まあだいぶ手間と原価がかかるけど。漂白終了後には明室処理可能というのになじめない。モノクロでも定着が半分くらいすんだら明かりをつけていたが、定着前のネガを光にさらしちゃっていいの、と不安になる。でも問題なし。