本日も朝から曇。昨日浴室に吊したネガはまだ乾ききっていない。ホコリを避けるため密閉しているから。バライタ印画紙と違ってそうそうカーリングもないのでゆっくり乾かす必要はないのだけれど。
面倒なので発色現像液のみボトルに移し替えたが、ボトルごと湯煎。補充量は7枚で112ml。ボトルに移すときにこぼれて減るので、捨てずに継ぎ足し。CN-16のつり下げ式自現機での単位補充量に基づく補充量で、CN-16L互換とは一致しない可能性があるが、小型タンク現像という現像方式に起因する適正補充量の変動もあるだろうから、しばらく回転させて様子を見るしかない。どのみち富士のサポートは年明けまで休み。
オリエンタルカラーCNL-N系はボトルでなくビニール容器に入っていて頼りないのだが、これは小分けで使うにはなかなか具合がいい。安いパックワインのようなノズルがついていて、ひねると開栓されて液が出る。内蓋がついていないから、密閉度は高いはずだ。そしてビニールなので、中の空気を追い出せば、内容量が減っても曝気させずに保管することができる。減圧したりビー玉を入れて液面を注ぎ口ぎりぎりに上げたりといった面倒は一切不要。使いきったら捨てないで使用液を入れてもいいが、注入に手間がかかりそう。あと袋が破けたりしたら大惨事。C-41互換のオリエンタルカラーBAN-1Rもこれだとありがたいのだが、3液なので無理かもしれない。印画紙用ケミカルもこうすればいいのに。


ヒーターが非力で液温がなかなか上がらない。もっと高W数のほうがよかった。室温が低いと31℃に設定したのに時間をかけても30℃まで達しない。35℃設定なのに30℃以下でサーモスタットが切れていたり。水位を下げれば改善するのだろうか。いずれにせよ、このヒーター使ってる限りトロ舟をこれより大きくするのは過負担。業を煮やして熱湯を4L程投入したら34℃に上がってしまって今度は下がらない。待ちぼうけ。
何が時間がかかるといって、液温調整がいちばん暇を食う。これを短縮できればもっとがしがし処理できる。もっとも、かけているラジオが曲や宣伝をやっている時に浴室に水洗に出たりしているため、トークの間はタイミングを待っていて時間を無駄にしているというようなこともある。
2回目、投入をしくじるが見たところ結果はまずまず。液温が下がってちょっと薄かったか。定着は1m30sくらいで抜ける。かつて露光した像が、泥のように濁った銀の中から次第に現れてくるのが明室で見える。カラー感材でこんな光景を目にできるだなんて。
QLの全暗下での扱いが難しい。引っぺがすときにフィルムに力がかかるのでこわい。三日月になってもおかしくない。モノクロでQLを使っているひとは自家現像しているならこの作業をやっているはずだが、どうやっているのだろうか。ネット上の情報では、ラボのひともQLの金属片で手を切るらしい。
処理が終わって濡れているステンレスのハンガーは、ガスファンヒーターの吹き出し口の前に置いておけばたちまち乾く。ただし冬限定。
さらに補充。液面がタンクぎりぎり。また温度が上がらない。
3回目。漂白に入れるのをしくじってムラが出たかも。
シートフィルムのクリップが足りなくてこれ以上吊せない。フィルムの乾燥待ち。ドライヤーで乾かすとかホコリまみれになりそうで無理。
カラーネガのオレンジマスクは簡にして要を得たほれぼれするような工夫で、このアゾマスク方式を開発したW.T.ハンソン・ジュニアとP.W.ヴィッタムと1940年代当時のKodakには尊敬を惜しまない。この大発明があるからカラーネガフィルムが大好きだし、これのおかげでカラーネガフィルムはとてつもなく広い色再現域を獲得しているわけだが、オレンジマスクがベースに乗ることにより、モノクロネガやカラーポジのように、ひとめでカブリを確認できないのがちょっと不便ではある。
水洗や安定液が赤っぽく着色していて、オレンジマスクなどの色素が溶け出してるんじゃないかと不安。2005年に冠水ネガをそれで台なしにした。現像以外はモノクロの習慣で長めに処理したほうが安心できるのでついながながつけてしまうのだが、やりすぎは禁物。
そうだ日本初のカラーネガフィルムはオリエンタル写真工業が1953年に発売したのだった。オリエンタルユーザーはカラー製品を買ってやらなきゃまだまだだな。へんてこな社名に変わったって、オリエンタルブランドが生きてる限りオリエンタルは健在だ。そして小西六よりふんばっている。応援しているぞ、オリエンタル!
発色現像槽のラバータンクが一杯なので、110mlを保管用の茶ボトルに追い出したのちに補充。茶ボトルを一杯にすれば保管時の酸化が抑えられるとの魂胆。ボトルに注入するときタンクの外側を伝わせたので、湯煎の温湯と混じってコンタミネーションの可能性があるが、「まあなんとかなるだろう」の先達naisho先生の精神で突っ切る。
そしてついに本番ネガの現像。2009-12-20の幕張。7器体制になってから、きちんと器のケラレのテストをしていなかった。そこを確認しておくためにネガ現像をやってるわけだ。これは失敗したくないので、確実に処理できる1セット5枚にとどめて現像。これならつっかえずにこなせる。ハイライトは濃いがシャドウの階調が充分出ていて、このくらいの露出は必要。1号器にはケラレが発生している様子。1番使ってたんだが。さっそく先をちょん切る。2、3、4、5は無事のよう。ネガを乾燥させるためのクリップをぶら下げていた洗濯用のハンガーにほこりが積もってた。だめだこりゃ。
さらに80ml補充し5枚。幕張の残りと市川塩浜3枚。市川塩浜はかなりよさそう。6、7と目立ったケラレは見あたらない。しかしこの時は反射対策をしてない無番器も使った記憶があるのだがあれはどうなったのだろう。露光秒数と号器数を控えたメモが見つからない。乾燥したネガは、たまにうっすら汚れているのもあるけれど、だいたいはなめらかできれいな仕上がり。表面を見る限りではラボに出したものに引けをとらないと思う。茶ボトルに古い定着液が残っていたようでえらいことになっていた。Portra400NCを4号器と5号器に装填。ジャンクじゃなくしかも高価なフィルムには気を使う。

片づけ。各槽の中身はただの水。水位は使用時より低い。手前はハンガーとパンケース流用の水洗槽。