予報通り曇。
さいたま新都心は見るからにつまらなそうなので焼かず。
大手町の裏返しネガは極端な赤カブリ。ネガのハレーション防止層側から入射し、赤感色層が、赤だけでなくフィルター層なしでもろに来る青にも感光しているので、赤が強くなる。ネガを見るとシアン寄り。空は次の緑感色層が感じているため、プリント上では赤に対して補色寄りとなる。そして青フィルターが挟まるので、青感色層には光が到達しない。赤と緑の2チャンネル。版下時代のオフセット印刷の技法で2色分解というのがあった。たいていはカラー原稿に通常の4色分解をかけたうちシアンとマゼンタのチャンネルを使ってそれぞれに適当なインキをあてるというもの。それとほぼ同じこと。きっちり色のコントラストを反映させるなら、赤とシアンというように補色関係にある色で分解すべきだが、そんなことやってくれなかった。富士のカラーネガは4チャンネルでシアン感色層もあったはずなので空はここに感じるのかもしれないが面倒なので省略。フィルター操作で色は変わるが、ハイコントラストでポスタリゼーションみたいな結果。それだけ。もうわかった。
RDPIIIのクロスプロセスネガは非常に薄く軟調でグレーバランスが出せないが、そこそこには焼けるものであり、そんなとんでもないネガではない。確かに色は崩れる。しかし、クロスプロセスでコントラストが上がるというのは、クロスプロセス自体の効果というより、露出過多と現像過多によるものではないか。であれば、普通のネガで極端な増感現像をやれば同等の効果が出せるだろう。でもそれじゃ秘術のごとくに喧伝する理由が立たないので、クロスプロセスなんぞという、あたかも高度で特殊な処理をしているかのような見せかけをまとわせてるだけじゃなかろうか。ネガのポジ現像はどうだか知らないし、ラボで処理したフィルムを見たこともないが、ここでCN-16L相当処理したポジフィルムをプリントした限りでいえば、たまに目先を変えるために遊びでやってみるのは否定しないけれど、基本的にはとるに足らぬ技法だと思う。しかもラボによっては通常処理とラインを別にしているのか疑わしい節もあり、クロスプロセスのフィルムが通常処理に悪影響を及ぼす懸念もある。くわばらくわばら。自家処理がいちばん。といいつつRDPを1枚通した発色現像液をまだ使っているわけだが。
昭和記念公園はやや現像ムラ。40sでもまだ濃い。晴天日中であれば、入射光式露出計の出た目で露出に補正をかける必要はまったくない。昼前後ならいつも条件は同じだから、むしろ露出計を見ないほうがいいくらい。ただし、対象の見た目重視で、シャドウ部が多ければ補正するといった主観的調整はやったほうがいい。正確を期すならスポットメーターを使ってのシャドウ基準測光だが、そこまでやって意味があるような撮影内容ではない。
仙台のネガには現像ムラか雲かよくわからないもやもや。いずれにせよ期待には遠い。
そしていよいよ昨日撮影したネガ。一晩吊してもまだ乾いてないって、ホコリを防ぐために密閉しているとはいえ、バライタ印画紙じゃないんだから時間かけすぎ。すべり台、まず濃い。色が出ない。ムラがある。参ったな。薬品の疲労だろうか。色がどうにも冴えないので、これは話に聞く銀が残った状態ではないかと思い、漂白からやりなおし。漂白か定着のいずれか、あるいは両方が不充分だった可能性がある。定着液につけてからネガが抜けるまで時間がかかっているので、定着不足の可能性はある。そろそろ2浴定着にする時期か。定着しなおしてみたらムラがとれてネガが明るくなったような気がする。今までのもこれだったのだろうか。今日終わらせるつもりだったのだが困難な雲行き。明日も天気悪いらしいからいいのだが、入れっぱなしの印画紙現像薬品がどんどん劣化してプロセッサを汚染していく……