さえない空。プリント。印画紙用ケミカルの扱いは気が楽。フィルム用の警戒水準がフェイズ3とすればフェイズ1くらいか。プロセッサに放りこめば±0.1℃で適温を維持してくれる。ためしに希釈したばかりの発色現像使用液のpHを測ってみると10.32。まったくあてにならんが。
Kodak Portra400NCは高感度とはいえ低照度下に160NSより格段に強いというほどでもない様子。感度に応じた同程度の露出でシャドウ側のラティテュードは大差なく、同程度の露光不足に対する黒の締まりのなさは同等。つまり、少なくとも同程度にはこの用途において実用になるということだ。カラーシフトは少ないかもしれないが暗くてよくわからない。品番の焼き込みがノッチと同じ短辺側にあり、条件によるが目立つのが気になるところ。
市川塩浜はもう一度行く必要がありそうだ。次は見つかって突き出されるかもしれない。
そしていよいよ焦点の増感ネガ。案の定硬調。目視ですぐわかるくらいだからかなりのもの。しかも印画紙が軟調の人像用でなお硬調なのである。弱った。硬調化させずに感度を上げる方法はないものか。水素増感はカラーフィルムにも有効なのかと思って調べたら、天体撮影ではあたりまえに行われているらしい。しかしなあ。「まずフィルムを処理容器に入れ蓋をします。この時ガス漏れを起こさないようにOリングにグリスを塗ります。次に真空ポンプでエアー抜きをします。それから窒素ガスを入れ24時間ベーキング処理(約50度)をします。24時間後真空ポンプで窒素ガスを抜きます。次にフォーミングガスを吸入(1.2気圧)して48時間ベーキング処理をして終了です」。……。これやるのか。できるのか。しかも「保管方法は真空タンクに保管または冷凍保存する」。こんなもの今の撮影方法でできるわけがない。長時間露光のほうがよほど現実的。
階調だけでなく、当然のことながら粒子も荒れている。4x5から六切、170%程度の拡大率なのに粒子がはっきり見える。こりゃあんまりだ。カラーシフトも大きい。160NSの長時間露光とさして変わらない。硬調化の分なお始末が悪い。3段増感はやはり無理があったか。「Kodak 400NC-3」の品番が黒い中にはっきり浮かび上がって腹立たしい。
クリエイトのカラーネガの増感現像は1段までだが、ノーマルと薬品が違うと言われた記憶がある。現像料金は倍で1日余計にかかる。結果は、あまり増感効果は認められなかったが、カラーバランスや粒状の著しい悪化はなかった。ところが堀内カラーでは2段まで可能だが100円増し程度、納期も一緒。堀内は薬品同じで時間を延長させただけじゃないだろうか。それよりはここでやった方がましな結果が期待できる、はずなのだが、こんなものか。いや参りましたね。