ひきつづきプリント。大全紙に焼く倍率で増感現像時の粒状の変化も比較してみる。しばらくぶりで伸ばし機をフル出力にする。フォーカスエクステンションシャフトもひさびさの出番。135mmでヘッド高70cm、長辺22"程度で約4.4倍。このサイズでもf11でベース露光4s程度。強力すぎる。160NSの標準現像では近接すれば粒子が目視できる程度。160NSの3段増感相当ではかなりはっきりと粒子が確認でき、主観的には2.5倍程度になっている印象。Portra400NCの標準現像では160NSより多少大きい程度、3段増感相当では目立つものの心配したほどではない。鑑賞距離ならまったく問題にならない。4x5から全紙程度で拡大率が低いのだから当然といえば当然。ただし露出によっても粒状は違ってくるので単純に比較はできない。双眼実体顕微鏡の20倍で観察すると、160NS標準現像のシャドウ部とハイライト部の粒子は明らかに違い、シャドウ部の粒子の荒れが3倍増感現像のハイライトと同程度かやや微粒子に見える。160NSとPortra400NCではさほど大きく違って見えない。ともあれ早く実際の大全紙に伸ばしてみたいものだ。
漂白定着のオーバーフローのパイプとホースのつなぎ目の金具が腐食して外れ、漏れっぱなしだった。漂白定着の廃液タンクはほぼ一杯になって2本目。空気との接触面積を増やして蒸散量を稼ぐため満タンにはしない。通常の薬品保管とは逆。
pH計校正用の標準液届く。レトルト状の袋に入っていて10ml程度。pH10.000と謳われている。±0.005@25℃というんだが、有効期限の記載もないし、かなり信憑性低い。何しろ送料込で565円である。しかしpH計があの体たらくなのでこれで充分。温度補正表がある。

pH
10.0 10.167
15.0 10.107
20.0 10.051
25.0 10.000
30.0 9.965
35.0 9.911
40.0 9.873

ということで、25℃と30℃の差なんてあのガラクタの測定精度未満じゃないか。ころころpHが変動するのはなんなんだ。それも投入後10分とかならわかるが、1時間経過後から動くなんて。まったくあてにならない。でも校正液と交互に測ってみて同じ数値であれば、絶対精度はおろか反復精度や恒常性すらないこんなガラクタでもどうにか使いものになるはず。校正ではなく対照に使うということだ。で、これじゃ足りないのでもっと安いのをたくさん注文。水に溶かすタイプなので精度は落ちるが充分。pH10だから、発色現像液がこれと同じ数値なら文句なかろうて。
写真は科学そのもの。むろんこんなことに関わらなくても写真はできるし、これが写真の王道だとか本質だなどと主張するつもりは毛頭ない。完成された写真のシステムを日常的に利用する限りこんなものとは一切無縁でもなんら不具合はない。写真との関わりかたはいろいろあっていい。でも、できあいのしくみにただ乗っかることにあきたらなくなり、みずからそれを組みかえていこうとすれば、いずれはこうした局面に立ち至るだろう。それはデジタルでも同じこと。
この時期の太陽の南中高度を国立天文台webの暦計算室で見ると、

日付 時刻 高度 方位
2009/12/22 11:39:00 30.9 179.9
2009/01/28 11:54:00 36.2 180.0

と出て、冬至より5.3°高い。影の長さの差を大雑把に概算すると、軒先から1m離れていたとして、
tan5.3°x 1 = 0.092767195204631
93mm程度影が長いことになる。無視できる差ではないが、これで大きく変わるというほどでもない。まだOK。