2s、3s、4s、5sで前露光。昨日のように手抜きして追加積算するのではなく、きっちりマスクをこしらえてそれぞれ1回で露光させる。モノクロをはじめたときにやらされるテストプリントは複数回の追加露光が一般的だと思うのだが、あれは本番の連続露光とは結果が一意しないのではなかろうか。
それはそれとして前露光とかプレフラッシュとはいうものの、撮影のあとでも効果としては同じように一見思えてしまうが、実は前かあとかで潜像核の形成に差があったりするのだろうか。きわめて微弱な露光が与えられたのちに、より強い露光が加えられる場合には、最初の微弱な露光はある程度の影響を銀粒子に及ぼしそうな気がする。ところが、順序を逆にして、強い露光を与えたのちにきわめて微弱な露光を加えた場合には、既に1回目の露光で地ならしされていて、2回目の効果はかき消されてしまうような漠然とした印象もある。
しかしながら、大雑把な合理主義的態度からすれば、結果としての露光量の総和が問題なのであって、前後がどうだろうと結果に影響はない、と考えたいところ。
でも前露光といいプレフラッシュと呼ばれているのは、やはり本露光の前にやるほうが望ましい結果が得られるという経験知が反映しているのではないか。副露光といういいかたはあるけれど、後露光は聞いたことがないし、検索しても、印刷製版分野では見受けられるものの、一般の写真現像では引っかからない。
はたして、この2回の露光がもたらすものの関係は可逆的なのか不可逆的なのか。
なんでこんなことをだらだら述べているかというと、後で副露光したほうが楽だからだ。ネガの装填時には、そのネガをノーマル露光するのかアンダー露光するのかなんてわからない。次の日行く場所も決めてないし、だいたい撮影に行くかどうかも天気次第、文字通り雲まかせの日々だから、前もって照明条件を想定してそれに合わせた撮影感度に従って前露光の準備をしておく、というのが難しい。撮影後にそのときどきの条件に応じた処理をする、というほうがずっと実用的なのである。ならばやはり、そうした必要を根拠として工程を編成し、後露光を敢行するのが、われわれの立場から導かれるべき解だろう。
なんぞとずるずる書き殴っているくらいならさっさと作業すればいいんだが、熱湯をトロ舟にぶちこみすぎて現像液の温度が36℃にもなってしまい、下がるのを待っているありさま。
で、2sでもカブリが出た。暗くするしかあるまい。あとは大手町と新宿の残り。