さて新たな暗室づくり。
まずは合板。窓枠には合板、これが一般住居での遮光の基本。以前の居室から持ってきたのは当然サイズが合わないので、暗室の窓のための1枚はライトテーブルの上にバットやトロ舟を置くため保護用に載せてあったやつから切り出すこととする。台所のためのもう1枚はそこらのホームセンターで切ってもらうこととする。浴室の窓にはなくてもよさそうだが、板が余りそうなのではめるかもしれない。以前はただの板きれだったが、今度は取っ手をつけて出し入れを容易にしようと構想中。
ガラス戸には持参した黒ケントかトーアの黒布を貼る予定。カッティングシートは意外に遮光性が高い上、隅までぴったりと隙間を残さず貼れるので効率がよく、薄くて戸の開閉にも好都合なのだが、前の暗室のガラス戸に貼ったのを剥がすのに難儀したので及び腰。10年も経ってあの粘着力と強度を保っているとはきわめて優秀というべきで、サインディスプレイ用途で鍛えられているからなのだろうが、さらに前の居室でガラス戸に貼ったのを剥がした時に、桟の木が割れて持っていかれたくらいで強力すぎる。剥がす用途は考慮されていないのだろう。前の部屋のガラス戸は小さなガラスの窓が開いているという形式だったが、今回の部屋は全面ガラス戸で、裏側にも木の桟が入っているので、カッティングシート貼付はやりづらい。
あとは運んできた遮光カーテンをクリーニングし、戸の上にカーテンレールを木ネジで固定して吊す。
南側の部屋とまんなかの暗室との間仕切りは2間分4枚の引き戸だが、間に柱がなく、木造で築20年程度なのでゆがみが出ている。戸の噛み合わせにやや隙間がある。ただ、前居は鉄筋だったがもっとひどかった。ここからの漏光を切るため、噛み合わせ部分にかぶせるひさしがあるとなおいい。でも戸にあまり鋲の穴を開けたくない。1Gと謳っているKDDI光ファイバーを引いたのだが、南側の部屋のエアコンの通気口からケーブルを通すのかと思いきや、北側から壁伝いに南の部屋まで持ってこられてしまい、賃貸がゆえ壁に穴を開けられないので、戸を閉める角から通されることとなった。2面どちらも。光ファイバーが這っているから、そこの戸は閉まりきらず隙間が開くこととなる。こいつも塞がなきゃならない。1.5Φ程度で電話線よりは細いが硬く、固定金具の高さもあるので3mmくらい開く。なお回線は開通したが、工事に来た作業員に、今日から使うと1ヵ月分の無料期間がほとんど無駄になる、来月に入ってからなら無料期間を丸ごと使えると言われ、野良電波を拾ってアクセス中。極細。電話も込みなので来月まで不通。戸の隙間に関しては、暗室にする部屋にガスの元栓が来ていないので、冬場の暖は電気か、隣からガスを引っぱってくることとなるが、電気は非力で高いのでたぶんガスを使うこととなり、1cmくらいは開く。
暗室にエアコンを入れるかどうか。ウィンドウエアコンは持ってきたが、これを入れるとなると遮光が難しい。だいたいちゃんと動くのかよくわからない。ときどきおかしくなる。前の部屋で使っていた室内機室外機分離型のほうは写真家Y氏からのもらいもので、自分で取り外し作業を行った。この時期に冷房運転はできないので、試運転にしてポンプダウンしフロンガスを室外機に封入するのが勘所。ところがモンキースパナが行方不明で取り外せず、まだ前居に置いてある。ここに運んではくるのだが、南側の部屋には備えつけの古いエアコンがすでにある。自前のを暗室にとりつけられなくもないが、壁に穴を開けなければならず、屋外の配線作業のために足場を組む必要もあり、素人の手に負える工事ではない。それ以前に貸し主に要相談。自分で手間暇かければどうにかなる話よりずっと厄介。いつまでいるのかわからない賃貸の部屋にそこまでするのはさすがにちょっと。
水回りは、台所に洗濯機置き場があり、広い排水受けが用意されていて水洗の水をそのまま流せるのがよい。Kostinerの大全紙用アーカイヴァルウォッシャーもこれでやっと使える。プロセッサの排水ホースを延長すれば洗浄後の排水も直接流せるし、さらにはヴェランダに置く予定の廃液貯蔵タンクにまで届けられるかもしれず、ずいぶん楽になる。しかしいずれも水漏れのないよう万全の対策が必要。
暗室の床の養生もしなければならない。
雨戸があるから楽だと思っていて、前の部屋にくらべれば要対策箇所が少ないのは確かなのだが、それでも1日2日でできる作業ではない。
それよりまず空間をつくらないと。広さが前居の2/3程度なので、ダンボールにほぼ全室占拠されている。これの片づけがいちばん難儀。