旧居から持ってきた黒ケント紙が、思っていたより少なくてまったく足りない。調達すべく渋谷へ。
宮益坂下交差点にあった画材屋は消滅していた。はす向かいのビックへ。もう感材はほとんど海外からの取り寄せかネットオークション、薬品はサイバーグラフィックダイレクトで調達するので、量販店にも滅多に行かなくなった。フィルム現像もプリントも自前だからプロラボにも行かないので、新宿に行ったついでにヨドバシに寄るということもない。なのでひさびさの量販店。これじゃいかんな。Ektar100の4x5を探すがなく、店員に聞いたらさんざん調べたあげくに出ていないという。日本ではまだということらしい。日本コダックのサイトでは4月中旬発売ということになってるんだが。B&Hを見ると4月23日の日本時間19時時点では4x5も8x10も一時在庫切れ。Freestyleでは8x10はあるが4x5は在庫切れで4月30日にディーラーから発送見込とある。よっぽど売れてるか生産量が少ないかだが、たぶん両方だろう。日本くんだりまで回せないってことか。これがニューヨークとハリウッドでの写真の最新流行。
東急ハンズでロール紙を見るが1,150mmx10mのミューズハイブラック100kg(おそらく四六判1000枚の斤量)が3千円以上。世界堂でも同様。ケント紙のロールはどちらにもない。ハンズの水道関連は貧弱。ホースはろくにない。ハンズならではなのは工房と一部特殊な素材だけで、ハンズにしかない品物もたまにはあるけれど、基本的には1カ所でいろいろ揃えられるのと店員が素人にもわかりやすく教えてくれるのがとりえの店。ほとんどの分野の品揃えは本格的な専門店に及ばないし、特に安くもない。
黒のカッティングシートも、ハンズは特に高いが、他でも高い。45cm幅で1mあたり480円とか。貼る面積が狭ければ使ってもいいのだが、ガラス戸2面分だけで3千円、しかも使い終わったら再利用できない。これなら紙か布のほうがいい。
トーア渋谷店にはじめて行く。新宿伊勢丹の向かいにあった店はビルの取り壊しでなくなったが、もう新宿店の再開はないらしい。結構好きだったんだが、所詮新宿か。ケント紙がわりの黒い布を物色するわけだが、たくさんありすぎて選べない。前に中野店で見つくろったときも決めかねてやめたのだった。1m90円とかあるが、店でも素材がよくわからないのを仕入れているらしく、薄すぎて使いものにならない。コスい役者御用達か。1.6m幅で1mあたり500円程度のが一般的で、中野店より高いようだ。無理もないか。そして渋谷のユザワヤもはじめて。1階は狭くて面食らうが、3階はテキスタイルや手芸関連だけだが渋谷にしてはがんばってる広さ。ここにも90円とか100円のセール品があり、渋谷ではトーアとユザワヤとが地味にはりあってる様子。他地域の店舗ではあんまりこういうのを見た記憶がない。トーアのほうが品揃えもあり全体に安いのだが、品数が豊富で素人には選びにくいかもしれない。ユザワヤの安売り売り場で黒の合皮を発見。厚手で遮光度は高そう。しかも1m300円と安い。ハンズではもう黒の合皮を扱わなくなったが、5年くらい前に蛇腹を自作していた頃はずいぶん買った。もうちょっと薄くて裏地が起毛仕上げのが1,200円とか1,980円くらいしていた記憶がある。300円は破格の安さ。紙より安いのだ。消耗品だし折れ目も汚れもとれない紙よりこっちのほうが、同じ値段だったらいいに決まっている。ところが光沢がある。1,150mm幅でユザワヤの布より狭い。どうするか。ユザワヤには1,400mm幅だが裏が毛羽立っていて光沢の少ない布もある。ただ黒の濃度は落ちる。布は光沢は低いが遮光度も低い、しかし今回の用途では、遮光はすでに充分なので反射率が低いほうが望ましいのである。幅が広いほうがつぎはぎしなくてすむ。布は汚れたら洗える。めくって裏の窓を開けやすい。布のほうがよさそうなのだが、結局ユザワヤの合皮にしてしまった。トーアでたくさんある中から選ぶのが億劫で決め手に欠けるし、この合皮のほうが厚手で耐久性がある、というのもあるが、決め手は、この合皮が布より安く、しかも安売りされていてお得だったこと。この用途に使わなくても、蛇腹とか他にも使い回しがきく。反射が気になるなら反射防止スプレーとかヤスリがけでどうにかなるだろう。布と違って切断端の処理の必要もなく切りっぱなしでOKなのもいい。10m巻きのロールごと買ってきてしまった。こんな客は少ないらしく店員も戸惑っている様子だった。ボール紙の芯に巻いてあり、長くて重い棒。もちろん電車に乗せて持って帰る。このところこんな傍迷惑な荷物ばかり運んでいる。でも考えてみたら撮影の時のバックパックとか三脚も充分かさばって傍迷惑なので、別に今に限ったことでもない。