新宿okadayaの地下に遮光生地がある。遮光1級の布地が、幅135cmだったかで1mあたり2,000円前後、遮光2級だとそれよりやや安い。遮光1級が遮光率99.99%以上、遮光2級は99.80%以上。遮光率99.80%でも一見スゴそうで充分ではないかと思えるが、われわれ写真をやっている者が慣れ親しんでいる明るさの比較の単位、絞りにおきかえてみると、100%が0.20%まで減衰するということは透過前と透過後の比率でいうと500:1となり、2の9乗が512なので、9段に相当する。日中晴天下なら、9段絞っても全然真っ暗には程遠くて、ものがはっきり見えてしまうと了解されるだろう。それだけ、陽光の力は強大なのである。そして、われわれの肉眼もそれだけの広いレンジを受容可能なすぐれた感光特性を持っているということである。フィルムもまた、99.80%も遮光されていても、ほんの数秒曝光されただけで感光する。99.99%でも10,000:1となり、2の13と2/3乗が10,313.728...なので、13と2/3段に相当する。これでもまだ、日の光にかざせば目にはうっすら光が感じられる遮光度である。ただ、カーテンにする場合には、生地の遮光度よりも周囲からの漏光のほうがずっと大きな問題なのだけれど。
2010-04-18でも触れた、暗室にしている部屋の北側に位置する調理場の窓。

ラワン合板を2枚重ね、スライド式に開閉できるようにしてある。右の下のほうで隙間ができているのは、おそらく、合板のカットが曲がっているからではなく、窓枠のほうがゆがんできているから。

開けたところ。

ステンレスのシンクに傷がつかないよう、下にもラワン合板を敷いてある。旧居で使っていたコの字型のアルミC型チャンネルがあったので、レールになるようこれも敷こうかと思ったが、かえって動かすごとに左右の壁にぶつかり傷になるかもしれないのでやめておく。このサイズだったら、合板同士でもさほどの摩擦はなくなめらかに開け閉めできる。合板だけでは倒れそうだったらアルミチャンネルで支えるのもいいかもしれない。簡易的なスライドドアをガラス戸の内側に設置するようなものである。
3枚以上に増やしていけばもっと広く窓を開けられるが、開閉が面倒になりそう。
もちろんこれだけでは隙間から光が盛大に侵入してくるので、調理場と暗室との間を、黒の合皮で覆ったガラス戸とたぶん遮光3級程度の防災カーテン2枚の計3層で遮蔽してある。