2.500ドル分のフィルムやっと届いた。昼前に一度来たが出かけていたので再配達を依頼したら15時過ぎには届いた。関税400円に消費税5,800円。この4回で最高額の買いものなのに、税金はいちばん安い。見た目でなんとなく課税額を算定してるとしか思えない。宅配便受け取りの際、普通は伝票に押印かサインをするわけだが、UPSの配達員はA4ぐらいの携帯端末を出してペンと一緒に渡してきて、液晶画面にタッチペンでサインしろという。これは今までなかった趣向。2007年には紙の伝票へのサインだった。領収証はあいかわらずの紙。UPSのトラッキング情報を見たらただちに反映され「Status: Delivered」となっていた。へえ。最初見たときには、そこまで無理にIT化しなくても、とも思ったが、流通経路全体のオンライン化の一環なんだろう。世の中みんなこうなっていくんだろうか。いずれは実印とかかったるいID確認制度も廃れるか。生きてる間は無理だろうな。タッチパネル、強く書かないと反応しないらしくて書き直し。ボールペンのインクが出なくて書き直すみたいだ。でもあれ立ったまま戸口で受け渡すときに落とすこともあるだろうし、雨が降ってりゃ濡れるし、端末はすぐにいかれそうだから、なんだか無用にコストがかさむように思うんだが。
荷物のほうは、通関で開封された様子はない。大きいほうの箱を開けると隙間があってエアバッグが突っこんであり、充分に余裕があるので、別便のFotospeed Finger Cotsは間違いなく入れ忘れたのだろう。数は揃っている。Portra400NCの有効期限は2012年2月。年末にヨドバシで買ったのは2011年3月だった。Pro160Sは2011年12月、Pro160C QLは2012年4月。Pro160Sは箱にバーコードが印刷されておらず、バーコードの入ったシールがべったり貼られている。Pro160Cのコードノッチは国産のPro160NCとほぼ同じ。小さい切り欠きと大きな凹の距離が、ラベルで見る限りでは違うという程度。まぎらわしい。というより中身は実質同じという意味なのか。Fotospeed Finger Cotsは百均で買った指サックとさしてかわりばえしない。
Portra400NCを装填したいんだが、1号器から8号器まではPro160NCが詰まっている。傷もホコリもつくので極力出し入れはしたくない。でも今週ずっと悪天候の予報。使いきれるんだろうか。
保管はFujiが10℃以下、Kodakが13℃と指示されているのだが、はて、夏場どうやって保管しよう。
 
カナダのLPL製引き伸ばし用品取扱店を見つけた。ここはすごい。とっくに生産終了でもはや稀少品というべき50mmや53mmのレンズボードだけでなく、25mm、32.5mm、42mmなんていう、LPLが出していなかったと思われる特殊なネジ径のレンズボードまで扱っている。55mmは2000/2001と2001/2002のLPL総合カタログには載っていないが、以前B&Hにあったので、LPL製造だがアメリカ限定販売だったのかもしれない。39mm "Fine" Threadedというのもあって、内径39mmでピッチ1/26インチのライカLマウントに対し、ピッチがメートルネジになっていると思われる。SchneiderのComparon135mmF4.5が39mm x .75となっていておそらくこれだろう。
25mmはシネカメラ用のCマウント(内径25.4mm)とも違うようだし正体不明。
32.5mmはいろいろあって、32.5mm x .5がそうだと思うが、RodenstockのRogonar-S 25mmF4、Rodagon 28mmF4、35mmF4、SchneiderのComparon105mmF4.5、Comparon150mmF5.6、Componar105mmF4.5に採用されている。とはいえ上のComparon135mmも含めて、こんな特殊なマウントのSchneider引き伸ばしレンズはすべて生産終了。3群4枚の普及型なので無理もない。Rodagonは4群6枚でマルチコートの高性能レンズだが、110用らしい25mmとか135ハーフサイズ用の35mmを引き伸ばしのために今どき買うひとがいるのだろうか。デジタル一眼レフカメラに装着するアオリユニットという用途はなくもないにせよ。
42mmというのはM42マウント、つまりプラクカスクリューマウントレンズを使うためのものだろう。撮影レンズはいろいろあるが、そんなものを引き伸ばしに使う酔狂者もいるのだろうか。と思ったら昔のComponon-S 135mmや150mmに適合する製品があるとeBayの出品者ページにあった。そういえばプレイスMの暗室にあったComponon-SはL39でもM50でもない半端なマウント径のDurstのレンズボードにはめられていたがこれだったのか。現在ではライカLマウントに収まるレンズはほとんどそれに統合されていて、その上は50mmなどと整理されているが、かつてはさまざまなマウントが咲き乱れていたのだろう。現行のフジノンEXもライカLマウントと135mmF5.6の53mm x 0.75のみ。撮影用カメラレンズのマウントが、現在のように絞り込まれるまでに、さまざまな規格の百花繚乱であったように。規格が豊かであるということは、そのジャンルの活況を示している。ユーザにとっては不便なのだが、それによる不利益を承知の上でなお、新たな規格で市場に殴り込みをかけようとよる競争者が参入する余地と成長力があったということだからだ。現状のレンズ交換式デジタルカメラでの規格の寡占状態は市場の飽和の現れに他ならない。
これらのレンズボードはみな新品で、ここの独占販売らしい。独自に特注で生産しているのだろうか。よって高い。69カナダドルなおカナダドルは対円で2007年末にくらべ70%程度に下落しているが、2000年前後よりはまだ高い。とはいえ、135mmと150mmのレンズを1個のレンズボードにいちいちつけかえるのがかったるいので、50mm相当を自作しようと思っていたのだが、自作するくらいなら買ったほうが早いと思わせる価格設定。
ともあれ、膝元の日本よりずっときっちりしている。商品展開も国内とは違う。LPL引き伸ばし機の真価を理解しているのは北米なんじゃなかろうか。フィルターモジュールを交換することでモノクロ多階調紙にもカラーにも使えるという設計が、彼らの合理主義に訴えるんだろう。ただし、35mmや6x7のディフュージョンボックスはもうないとのこと。直販はしないようでeBayで買えということらしい。